インプラント治療の最新素材ジルコニアインプラント。チタンやセラミックとも比較
インプラント治療の素材と特徴は?最新の素材ジルコニアインプラント
昨今、インプラント治療という言葉はよく耳にすることも多くなってきたと思います。
ですが、治療内容についてはもちろん、どういった素材を使用するのか分からない方が殆どだと思います。
インプラント治療については以前解説した下記のページ
インプラントの概要や流れ、相場を徹底解説!品川御殿山クレイン歯科のインプラント治療についても紹介します
https://shinagawagotenyama-shika.com/blog/3911をご覧ください。
ここでは、インプラントに使われる素材について、どんな素材を使っているのか?
それぞれの素材にどんな特徴があるのか?
最新の素材「ジルコニア」とは?
各素材の、のメリット・デメリットについても詳しくご説明していきたいと思います。
インプラントの基本構造と使用素材
まず、インプラントがどんなパーツで構成されていて、それぞれどんな素材が使用されているか、インプラントの基本的な構造をご紹介したいと思います。
構成としてインプラントは
・「アバットメント」
・「上部の人工歯」
という3つのパーツで構成されるものが主流となっています。
では、それぞれのパーツの特徴を見てみましょう。
インプラント体(人工歯根)
インプラント治療の基本的な部分で、その名のとおり「人工的な歯の根っこ」です。
人工歯を支えるために顎骨に埋め込まれる重要なパーツです。
顎骨に結合し、人工歯をしっかりと支える基盤として機能します。
手術を伴い、顎骨に埋め込むため骨組織との結合が重要です。
このため、素材は強度と耐久性のある純チタン、またはチタン合金が採用されている場合が多くあります。
アバットメント
アパットメントはインプラント体から口の中に露出した部分で、人工歯を固定する接続するパーツです。
アバットメントはインプラント体の上部に取り付けられ、インプラント体と人工歯を連結し噛む力を伝え、高さや立ち上げの傾斜などを調節し口腔内の圧力を分散させる役割があります。
素材はインプラント体と同様に純チタン、チタン合金が多くセラミックが使用されることもあります。
上部の人工歯
インプラント体とアバットメントの上に取り付けられる歯の部分です。
人工歯はインプラント治療の最終段階で取り付けられ、顎の機能を回復し、外観もより本物の歯に近いものを採用することが多いです。
人工歯の素材は、審美性を重視してセラミックの素材を使用することが多くあります。
以上が3つのパーツからなる基本的なインプラントの構造と使用素材です。
それぞれのインプラント素材の特徴
では、それぞれのパーツで使用されている素材にどんな特徴があるのか?
そのメリットやデメリットをご紹介します。
- チタン
-
チタンは従来の一般的なインプラント治療として広く使用されています。
メリットしては、チタンは非常に強靭で耐久性があり、噛む力に耐えることができます。
また、強度はもちろん、生体適合性(骨と結合する性質)があり歯科医院で広く使用されています。デメリットとしては、チタンは生体に害がないと言われていますが稀に金属アレルギーを引き起こすことがあり、金属アレルギーを持つ患者様にとっては大きな不安要素となります。
また、チタンは金属のため、歯茎が薄い場合には金属の透け感(金属が透けて見える)が出ることもあります。
自然の歯のような審美性が今ひとつなところもあります。 - セラミック
- セラミックによるインプラントでは上部の人工歯に使用します。
見た目の美しさを重視する患者様に人気があります。
メリットとして、セラミックは天然の歯と似た色合いと輝きを持っており、機能性と審美性がとても良いです。
また、汚れが付きにくいというメリットも兼ね備えています。
更に、金属アレルギーのリスクもありません。
セラミックは天然歯の質感に近いため、治療後も違和感なく過ごせると思います。デメリットとしては、セラミックは脆い素材であるため、噛む力が強い方だと稀に(特に噛む力がかかる奥歯部分への適用には限界があり)割れてしまうことがあります。
第三の素材ジルコニア
以上のように、インプラント治療で使用される素材は、人口歯根には「チタン」、上部の人工歯には「セラミック」というのが主流となっていますが、金属アレルギーへの安全性と頑丈さや審美性を兼ね備えた素材とも言えず、選択肢も限られてきます。
そんななか、近年、第三の素材として「ジルコニア」が、インプラント治療に使用されるようになりました。
特に上部の人工歯には「ジルコニア」が主流になってきています。
さらに、人工歯根部も「ジルコニア」で作るメーカーも出てきています。
その特徴とメリット、デメリットをご紹介します。
ジルコニアとは?
ジルコニアは、高い耐久性、耐熱性、耐蝕性と生体適合性を備えたセラミックス素材のひとつです。
人工ダイヤモンドともいわれていて、元々、宝石として使用されることが多かったのですが、その天然歯に近い見た目や生体適合性から歯科分野でも活用されるようになりました。
二酸化ジルコニウムとも呼ばれ、金属に比べて熱や電気を伝導しにくい性質があります。
これにより、従来のセラミックよりも強度が高いので割れてしまうリスクが減ります。
なので、歯科用材料として重要な素材となっています。
そして、ジルコニアは強度が高いため「インプラント体(人工歯根)」としても使用されてきています。
ジルコニアのメリット・デメリット
では、そのジルコニアを「インプラント体(人工歯根) 」に使用することによるメリット・デメリットを見てみましょう。
もともと金属アレルギーの方でも心配ありませんし、ジルコニアインプラントを入れてから金属アレルギーになったとしても、インプラントは関係ないと言えます。
ですので、ジルコニアは金属アレルギーを持つ方でも安心して使用できる素材です。
また、色や透明性は天然の歯に近くインプラントが周囲の歯と違和感なくなじみやすいため、外観上の審美性もあります。
ジルコニアは加工が難しく、高度な技術と設備が必要とされるため、製造コストが他の素材に比べて高いため、治療費用も高くなる傾向があります。
ジルコニアインプラントの種類
以上のように、ジルコニアという優れた素材ならではのメリットとデメリットがあります。
では、次にジルコニアインプラントの種類を見てみましょう。
1ピースタイプ
1ピースタイプインプラントは、インプラント体とアバットメント(人工歯を支える部分)が一体化した設計です。
つまり、インプラント本体とアバットメントが別々に取り外し不可能で、一つの部品として作られています。
どちらかに問題が生じた場合、全て取り替える必要があります。
しかし、1ピースタイプは現在ほぼ使用されていません。
2ピースタイプ
2ピースタイプのインプラントは、インプラント体とアバットメントが別々になっていて、それらを接続する構造となっています。
インプラント体は顎の骨に埋め込まれ、アバットメントはその上に取り付けられます。
別々のパーツから構成されているため、素材の選択肢もあり、アバットメントの問題が生じてもアバットメントの交換だけで済むという利点があります。
現在は、ほぼ2ピースになっています。
ジルコニアインプラントは少し前までは「1ピースタイプ」に近い構造をしていましたが、最近では完全な「2ピースタイプ」のジルコニアインプラントもできてきました。
当院、品川御殿山クレイン歯科でもジルコニアを使用したインプラント治療をおこなっています。
では、どんなメーカーの製品を使用しているのか、下記にご紹介します。
当院で採用しているインプラントのメーカー
インプラント治療で使用されている数多くのメーカーの中から、国内はもとより世界的な実績と信頼性に定評のあるメーカーを当院では採用しています。
ストローマン社
まず、ストローマン社(スイス)が製造するインプラント製品です。
ストローマンは、世界のインプラント市場でシェア第1位のインプラントメーカーです。
「ストローマンインプラント」は、世界70カ国以上で500万人以上の患者様が治療を受けるなど、信頼性の高いインプラント治療が展開されています。
世界中のインプラント市場でトップのシェアを誇り、1300万本以上が使用されています。
ストローマンを使用することで安心できる理由のひとつは、万一のトラブルがあった際、日本国内でも多くの歯科医院で採用されているため対応が比較的容易な点です。
転勤や引越しの可能性がある人にとっても安心できることが根拠のひとつとなっています。
ストローマン社ではジルコニアインプラントでは1ピースのタイプを採用しています。
Z-SYSTEMS(ゼットシステムズ)社
「Z-SYSTEMS」は、スイスに本拠地を置く歯科インプラントの製造および研究を行う企業で、アメリカ・日本の市場ではZ-systems社製のジルコニアインプラントが90%を占めています。
主にジルコニアで歯科インプラントを製造しています。
15年以上の臨床使用のもとに製造、品質、ノウハウ、品質保証を発達させてきた Z-SYSTEMS社のジルコニアインプラントは、基準が厳しいISO13485に準拠し、CEやFDAの認定を受けた医療製品です。
ジルコニアインプラントでは、1ピースタイプ・2ピースタイプの両方を採用しています。
ジルコニアでインプラントをおこなう場合、当院では「Z-SYSTEMS」を使用しています。
ジルコニアインプラントのメンテナンス方法
では、せっかくおこなったジルコニアでのインプラント治療。
長い期間維持するにはどうしたら良いか?参考までに下記にご紹介します。
ジルコニアインプラントを長く健康な状態で維持するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
ここでは、ジルコニアインプラントのメンテナンス方法を詳しく解説します。
- 定期的な歯科検診
- インプラント周囲の歯茎や歯の状態を確認するために、定期的な歯科検診を受けましょう。
歯科医師はインプラントの状態を詳しくチェックすることで、早期のトラブルを発見できます。 - 適切な歯磨き
- ジルコニアインプラント周囲の歯茎や歯を傷つけないように、柔らかめの歯ブラシを使用して優しく歯磨きを行いましょう。
歯磨き粉も場合によっては研磨剤などによって、歯が傷つく場合もあります。歯科医師に相談して選びましょう。- 間食後のケア
- 間食後のケア
- 食事後にうがいや歯を磨くことで、食べかすや菌の増殖を防ぎます。
歯間ブラシやフロスを使用して、インプラント周囲を清潔に保つことを心がけましょう。 - 歯の噛みしめやすさに注意
- ジルコニアは割れにくいですが、無理な噛みしめや、噛む力の偏りに注意してください。
- 健康的な生活習慣
- タバコや過度のアルコール摂取は歯周病やインプラントの健康に悪影響を及ぼすことがあります。健康的な生活習慣を心掛けましょう。
- 緊急時の対処
- インプラント周辺に違和感や痛みを感じたら、すぐに歯科医師に相談しましょう。
早めの対応が問題の予防につながります。
日常的な日々のケアを実践するのは大変ですが、小さなことでも毎日行うことでジルコニアインプラントの長寿命と健康を保つことができます。
自分の歯を大切にするように、インプラントも同じ気持ちでケアしましょう!
ちなみに、これらのケアや注意事項はチタンインプラントも同様となります。
まとめ
特にジルコニアインプラントは、その耐久性と自然な見た目から選ばれる新しいインプラント治療法です。
素材として金属アレルギーの心配が少なく審美性も良く、セラミックとは異なり耐久性・強度も兼ね備えています。
とても優秀な素材ですが、その反面、加工性に難があり、費用面も高額になりがち。
インプラントの素材は、ご自身のお口の状況に応じて最適な素材を選ぶことが大切ですが、その為には、きちんとした設備と技術を持つ医師が在籍している歯科医院で治療を受けるのがベストな選択とも言えます。
当クリニックでは、CTやマイクロスコープなどお口の状態を精査できる設備で、経験豊富な医師が診断をおこないます。
インプラントを考えていてお口の状態を確認したい方、ご自身に合うインプラント素材を知りたい方はもちろん、インプラントが不安な方、興味のある方。
品川御殿山クレイン歯科では無料カウンセリングを随時おこなっています。ぜひいちどご相談ください。
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