セラミック歯の寿命は?交換の目安と長持ちさせるポイントを解説

 

セラミック歯イメージ

セラミック歯の寿命は?交換の目安と長持ちさせるポイントを解説

近年注目されている「セラミック歯」。

従来の銀歯治療に比べて、セラミックの歯は審美性が高くご希望される患者様も増加しております。

そこで、今回はセラミックの歯の寿命のお話。

セラミックの歯はどれほどもつのか、歯科医院で使われているセラミックにはどんな素材があるのか、どうすれば長持ちさせられるのかなどを簡単に解説します。

セラミックをご検討されている方はぜひ最後までご覧になってください。

セラミックの歯は何年持つ?素材ごとの特長

セラミックの歯の寿命は、平均的に10〜15年ほどだとされています。

しっかりメンテナンスをすれば20年ほど長持ちさせられる場合もありますが、そのあたりはケアの程度や素材によって変わってきます。

また、セラミックに代表される人工歯は、基本的にインレー・アンレーと呼ばれる「詰め物」クラウンと呼ばれる「被せ物」があります。

インレー・アンレー・クラウン

インレーとは、歯の一部分を補う詰め物であり、虫歯の治療後などに使用されます。

アンレーはインレーと似ていますが、歯の噛む面だけでなく、歯の側面(咬頭)も覆う形状のものです。

インレーよりも広範囲の修復が必要な場合に使用されます。

クラウンは歯全体を覆うかぶせ物です。歯が大きく損傷した場合や根管治療後に見た目を改善するために使用されます。

素材ごとにインレー、アンレー、クラウンと用途が異なるものもあるので、その点も合わせてチェックしていきましょう。

銀歯との違い

銀歯

銀歯の寿命は5〜7年くらいが一般的です。

セラミックよりは寿命が短く、治療をする頻度が高まります。

また、銀歯は長く使用すると、金属がイオン化して口の中で徐々に溶け出すことで、金属アレルギーを起こしたり、周囲の歯を黒く変色させたりする可能性もあります。

その点、セラミックは金属アレルギーの心配もなく、変色もしないというメリットがあります。

では、セラミックにはどのような素材・種類があるのかを簡単に解説しましょう。

オールセラミック

オールセラミック

オールセラミックはセラミック100%の素材でできており、美しく強い歯を入れることができます。

当然金属アレルギーもなく、アレルギーを持っている方も安心してご利用頂けます。

その審美性の高さから、前歯に使用される方も多いのがオールセラミックです。

ただ、値段が他の素材に比べて高く設定されている場合が多いです。

インレー・アンレー(詰め物)、クラウン(被せ物)にも使用されます。

寿命は8〜10年ほどだとされています。

e-max

e-max

e-maxはニケイ酸リチウムガラスが主成分になっているセラミック歯です。

ガラスセラミック、とも呼ばれておりその名の通り美しい仕上がりになります。

e-maxはインレー・アンレー(詰め物)、クラウン(被せ物)にも使用される素材です。

また、オールセラミックよりも強度がありながら、天然歯に近い色味を再現でき、審美性も高いのが魅力です。

価格はある程度高まってしまいますが、近年需要も増えている種類の素材です。

寿命は10〜15年ほどだとされています。

ジルコニアボンド

ジルコニアボンド

ジルコニアとは二酸化ジルコニウムという素材で作られたセラミックであり、とても強度が高いのが大きなメリットです。

ジルコニアボンドは、内側をジルコニアで作り、外側を透明感のあるセラミックを被せます。

また、ジルコニアボンドはクラウン(被せ物)のみ使用されます。

ジルコニアはセラミックより強度が高いので、耐久性が高いというメリットがあるだけでなく、外側をセラミックにしているので審美性も高いです。

それだけでなく、虫歯になりにくい、金属アレルギーの心配がないといったメリットもあります。

寿命は10〜15年ほどです。

ジルコニア(フルジルコニア)

ジルコニア

フルジルコニアは、全てジルコニアで作る歯のことです。

こちらはインレー・アンレー(詰め物)、クラウン(被せ物)にも使用されます。

ジルコニアは先程説明したようにとても強度が高く「人工ダイヤモンド」と呼ばれ、人工関節や宇宙船の素材などにも使用されています。

オールセラミックよりも強度が高く、美しく、当然値段も高いという特徴があります。

寿命はその強度も相まって15〜20年ほどだとされています。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、コンポジットレジン(プラスチック)とセラミックを合わせた素材で作られています。

こちらはインレー・アンレー(詰め物)、クラウン(被せ物)ともに使用されます。

レジンとセラミックの中間にあたるような素材であり、見た目や強度はオールセラミックやe-maxより劣るとされていますが、その分費用が安価なのがメリットです。

寿命はやや短く、7〜8年ほどです。

※当院での取り扱いはございません

メタルボンド

メタルボンドとは、中身を金属にして外側の部分をセラミックにした被せ物のことです。

ある程度の強度や審美性がありながら他の素材に比べて安価というメリットはあります。

しかし、角度によって金属が見えてしまったり、金属アレルギーのある人には使用できない可能性があるというデメリットはあります。

クラウンのみ使用され寿命は8〜10年ほどだとされています。

※当院での取り扱いはございません

セラミックの歯の寿命が短くなる原因

セラミックの歯は10〜15年ほどの寿命があると説明しましたが、10年と15年では大きな差があるかと思います。

ここでは、セラミックの歯の寿命が短くなる原因を紹介します。

以下の点に気をつけて、可能な限り長持ちさせるよう意識しましょう。

外部からの衝撃

セラミックの歯は外部からの衝撃により、欠けてしまったり割れてしまったりする場合があります。

例えば、転んでしまって歯を打つ、球技をしていてボールが当たるなどがそれにあたります。

また、そういった外傷的な要因だけでなく、硬いものを食べすぎて欠けてしまうこともあります。

絶対に硬いものを食べられないわけではありませんが、過度な負担を与えすぎると欠けてしまう可能性があることも意識しましょう。

自分の歯に合っていない

セラミックの歯が自分の歯と合っていない場合も、寿命を短くすることになってしまいます。

自分の歯と不適合な場合、汚れが溜まりやすくなり、しっかりとしたケアをしないと虫歯になってしまいます。

また、噛む力がどこかに偏ってしまう原因にもなり、時間の経過とともに負担になってしまう可能性があります。

クリニックでの精密な検査と正確な施術が必要です。

セルフケア(メンテナンス)をしない

日々のセルフケアを怠ると、セラミックの歯の寿命を短くすることになってしまいます。

虫歯、歯周病、歯茎が下がるといったことが起こると、噛み合わせが悪くなるだけでなく、最悪セラミックの歯を交換しなければならなくなります。

毎日の丁寧なブラッシングはもちろんのこと、フロスなどでしっかりと汚れをとるように意識しましょう。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯に相当な力がかかってしまいます。

歯ぎしりや食いしばりによってセラミックが欠けてしまう例は数多くありますので注意しましょう。

寝ている時などにそういった癖がある人は、改善されることをおすすめします。

また、睡眠中にマウスピースをつけることで歯ぎしりによる負担も減らすことができるので、ぜひ検討してみましょう。

こうなったら交換を考えましょう

セラミックの寿命といっても生き物ではないので、はっきりといつが寿命なのかは分かりませんよね。

そこで、セラミックの歯の交換のタイミングを3つ紹介しましょう。

セラミックが欠けた・割れた

セラミックが欠けたり割れたりしたらすぐに交換をしましょう。

セラミックが欠けたりすると当然噛む力が弱まりますし、場合によっては口腔内を傷つけることになってしまいます。

自分の歯が欠けているのに、病院に行かないことと同じことです。

早急に歯科医師に相談し、交換を検討しましょう。

虫歯が再発した

頻繁に起こることではありませんが、セラミックの内部に虫歯が発生した場合も交換のタイミングです。

定期的な検診や適切なケアをしていないとセラミックの歯も虫歯になってしまいます。

自分の歯に影響したり、歯周病に発展したりする前にすぐに交換するよう意識しましょう。

噛み合わせが悪くなった

セラミックの歯を入れている最中に、歯と適合しなくなる場合があります。

歯茎が下がったり、歯が削れたりした場合、噛み合わせが悪くなってしまい、歯の力を最大限に発揮できなくなってしまいます。

少しでも違和感を感じたら、かかりつけのクリニックに行って検診をすることをおすすめします。

セラミックを長持ちさせるポイント

そんなセラミックの歯ですが、可能であれば長持ちさせたいですよね。

最後にセラミックを長持ちさせるポイントを3点解説します。

日々の丁寧なケア(メンテナンス)

セラミックの歯を長持ちさせるには、日々のケアは絶対に必要です。

先程説明したように、セラミックが虫歯になってしまうと即交換をせまられます。

また、セラミック以外の歯も虫歯になってしまうと、歯周病に繋がったり、噛み合わせが変わってしまったりします。

歯ブラシによるケアはもちろんのこと、歯間ブラシやデンタルフロスも毎日することをおすすめします。

歯ぎしり・食いしばり対策

歯ぎしりや食いしばりは、食べ物を噛む時の何倍もの力が歯にかかるとされています。

日常的に歯ぎしりをしていると、セラミックにも負担がかかり、欠けたり割れたりしてしまいます。

まずはそういった癖があることを自覚して、抑える方法を模索しましょう。

ストレスを軽減させる、安眠できるように工夫する、マウスピースをつけて直接歯が摩擦しないようにするなどの対策が必要でしょう。

定期的な検診

絶対に必要なのがこちら、定期的な検診です。

かかりつけのクリニックに定期的に通い、精密な検査と適切なクリーニングをすることが長持ちをさせる秘訣です。

少なくとも3〜6ヶ月に1回はクリニックに検診に行くようにしましょう。

そうすることで、問題も早期発見でき、結果的に長持ちさせることができます。

まとめ

セラミックの歯の寿命は10〜15年が一般的です。

しかし、適切にケアしていなかったり欠けてしまったりするとすぐに交換しなければならなくなります。

こちらに紹介した方法を実践して、できる限り寿命を長持ちさせるように意識しましょう。

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