インプラント骨造成のQ&A|その疑問、歯科医師がお答えします
インプラント治療を希望しても、顎の骨量が不足している場合、そのままでは手術が難しいことがあります。その際に行うのが「骨造成(骨再生治療)」です。
骨造成は、インプラントを安定させるために欠かせない重要な治療ですが、「どんな方法があるの?」「痛みやリスクは?」と「そもそも骨造成とは?」と、不安に思う方も多いでしょう。
本記事では、骨造成の必要性や方法、手術時の注意点をできるだけわかりやすく解説したいと思います。
Q1.骨造成(こつぞうせい)とは何ですか?
A. インプラントを支える顎の骨(あごの骨)が不足している場合に、人工骨やご自身の骨を補填して骨量を増やす処置です。十分な骨がないとインプラント体(人工歯根)が安定しないため、安全に治療を進めるために行います。
Q2.どうして骨が足りなくなるのですか?
A.歯を失ってから時間が経つと、噛む刺激が骨に伝わらず、骨が徐々に吸収される
- 事故や疾患、先天的な理由で骨量が少ない
- 歯周病などで顎の骨が溶けてしまった
- 歯を失ってから時間が経つと、噛む刺激が骨に伝わらず、骨が徐々に吸収される
これらの理由で、インプラントをしっかり固定する骨が不足することがあります。
Q3.骨造成の種類にはどんなものがありますか?
A.ソケットリフト(上顎洞底挙上術)
上顎奥歯の上にある「上顎洞(副鼻腔)」を持ち上げ、隙間に骨補填材を入れます。
A.サイナスリフト
上顎洞の骨側壁を開窓して大きく骨補填材を入れる方法で、広範囲の骨不足に適応します。/p>
A.GBR(骨誘導再生法)
欠損部位に骨補填材とメンブレン(人工膜)を用い、骨の再生を誘導します。
A.ブロック骨移植
あごの別部位から骨ブロックを採取し、移植して固定します。。
Q4.手術は痛いですか?
A.手術中は局所麻酔を使用するので、ほとんど痛みを感じません。
術後の痛みも、鎮痛薬の内服で十分コントロールできます。何か不安があれば、遠慮なくお申し出ください。
Q5.手術後の腫れや内出血はありますか?
A.腫れは通常3~5日ほどでピークを迎え、その後徐々に引いていきます。
内出血(青あざ)の出る場合もありますが、約1~2週間で自然に消失します。冷却や安静、指示通りの薬の服用で早めの回復が期待できます。
Q6.骨造成を行った場合の治療期間はどのくらいですか?
A.骨造成は術式によりインプラント手術と別に行う場合と、同時に行う場合があります。
インプラントのみの場合は2-4ヶ月程度、骨造成を行った場合はインプラントのみの治療期間にプラス3ヶ月-1年程度必要です。
Q7.骨造成をしないとどうなりますか?
A.骨量が不足したままインプラントを入れると、
- インプラントがぐらつく
- 埋入後早期に脱落するリスクが高まる
- 長期的に顎骨や周囲組織が痛む・下がる
といったトラブルの原因になります。安全・長持ちさせるためには、適切な骨造成が大切です。
Q8.自家骨(自身の骨)と人工骨、どちらが良いですか?
A.
- 自家骨:生着性が高く、治癒が早いメリットがあります。ただし、採取部位に別途手術が必要です。
- 人工骨・異種骨:採取による負担がなく、量の調整がしやすい反面、治癒にやや時間を要します。
当院では患者さまの骨量やご希望、全身状態を考慮し、最適な材料を選択します。
Q9.費用はどのくらいかかりますか?
A.骨造成の方法や範囲によって異なりますが、一般的には1部位あたり数万円~十数万円前後(自費診療)です。
インプラント本体や手術費用と合わせて総額をお見積もりしますので、初診時にご相談ください。
Q10.保険は適用されますか?
A.骨造成は基本的に自費診療となります。ただし、先天性疾患や外傷後の再建など医師が必要と判断した場合は、ケースによって部分的に保険が適用されることもあります。詳しくはご相談ください。
Q11.術後の食事やケアはどうすればいいですか?
A.
- 柔らかいもの(おかゆ、スープ、ヨーグルトなど)を中心に、刺激物や固いものは術後1週間程度控えてください。
- 洗口液で優しくうがいし、歯ブラシは麻酔が切れてから軽く当ててください。
- 指示通りに抗生物質・鎮痛薬を服用し、定期的に来院して傷口のチェックを受けましょう。
Q12.リスクや合併症はありますか?
A. 主なリスクとしては、術後の感染、膜材料の露出、骨補填材の吸収不足などが挙げられます。当院では無菌的な手技と徹底した術後管理でリスクを最小限に抑え、万が一の場合も早期対応いたしますのでご安心ください。
インプラント治療の「骨造成について」よく聞かれる事をまとめてみました。
なかなか聞くことがない言葉ですが、こちらの「インプラント治療の骨造成とは?種類・費用・手術のメリット・デメリットを解説にて、より詳しく記述しておりますので、気になる方はご覧いただければと思います。
また、ご不明な点やご不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。