インプラント治療の仮歯とは?歯科医師が解説します。

インプラント治療をした際、手術をしていきなり人工歯をいれずに、まずは仮歯を入れます。
この仮歯はインプラント治療を成功させるためにとても大切なものであり、絶対に必要なものなのです。
今回こちらでは、インプラント治療における仮歯の必要性や期間、注意点などを分かりやすく解説していきたいと思います。
こちらを読んで頂ければ、仮歯の重要な役割を理解することができ、インプラント治療を滞りなく少ないストレスで行うことができると思います。
インプラント治療の仮歯とは?なぜ必要なのか?

インプラント治療における仮歯は絶対に必要なものです。
インプラント治療はまず、歯根の代わりになるインプラント体をあごの骨に埋入します。
そのインプラント体は顎の骨や歯茎といった周辺組織としっかり結合するまで、ある程度の時間がかかります。
そこで、インプラント体が安定しているかどうかを確認するために脱着がしやすい仮歯を入れる必要があるのです。
まだインプラント体が安定していないのに人工歯を入れると、簡単に歯を外すことができないうえに、インプラント体を入れたことによる口内トラブルにも対応しづらくなってしまいます。
インプラント治療における仮歯は、最終的に人工歯を安定して入れるために、歯の機能を代用してくれる大切なものなのです。
インプラント治療の仮歯の重要な役割

仮歯は「歯の機能を代用してくれる」といった単純な理由だけでなく、多くの重要な役割を担っています。
それらを1つずつ解説していきましょう。
見た目の美しさを保つ
前章で説明したように、インプラント体を顎の骨に入れたすぐ後は人工歯を入れることはできません。
もし何も入れないままだと、施術した箇所だけ歯が抜けたかたちになってしまい、審美性を損ねてしまいます。
特に、前歯などは周りの人にも見られやすく、仕事はもちろん、プライベートでも必要になる場面が多くあると思います。
見た目の美しさを保つためには仮歯は絶対に必要なのです。
発音・滑舌の維持
もし仮歯を入れずに歯が抜けた状態にしていると、発音がしづらくなってしまいます。
空気が抜けたり、舌がうまく回らなかったりして、日常的な会話に支障をきたす可能性があります。
歯はものを食べたり咀嚼したりする以外にも、言葉を喋ることや運動をすることにも深く関わっています。
仮歯はそういった機能を円滑にさせる役割も担っているのです。
噛み合わせ・歯並びを維持する
歯は、抜け落ちているところがあるとその穴を埋めるように動いてしまいます。
1ヶ月で1ミリ程度動くとされているので、インプラント体が定着するとされる半年間仮歯を入れないと、6ミリも歯が動いてしまいます。
そうなると歯並びが悪くなり、審美性が損なわれるだけでなく噛み合わせも悪くなってしまいます。
仮歯を入れることで、美しい歯としっかりした噛み合わせを維持し、人工歯を入れるための美しい土台を作っているのです。
歯茎の傷口を保護する
仮歯は歯茎を外部の刺激から守る役割も担っています。
口内には数千億の常在菌がいると言われています。
仮歯を入れずにインプラント体や施術した患部をさらした状態にしていると、細菌感染を起こしてしまう可能性があります。
歯周病に発展してしまうと、歯茎が炎症を起こし、インプラント体が周辺組織と結合しづらくなってしまいます。
また、仮歯が無いとインプラント体の金属部分が剥き出しになってしまうので、それが口内を傷つけてしまう可能性もあります。
それだけでなく、仮歯は食べ物や飲み物などの温熱刺激や歯磨きなどの直接的な刺激からも患部を守ってくれる役割があります。
顎の骨と歯茎の状態を調整する
歯が無い状態を放置していると、隣接した歯だけでなく顎の骨や歯茎の状態も変化していきます。
そこで、仮歯を入れることで口腔内の状態を調整して、人工歯を入れた時の違和感を無くすことができるのです。
また、仮歯は比較的簡単に形状や他の歯との噛み合わせを調節することが可能です。
人工歯を入れることを想定して、歯茎の状態や他の歯との関係性を調整できるのも仮歯を入れることの大きな役割の1つといえるでしょう。
インプラントの仮歯を入れるタイミングは?

仮歯を入れるタイミングは、インプラント体を入れる手術をした当日、もしくは手術後に傷口を塞いだ糸の抜糸後のどちらかです。
手術当日に仮歯を入れることは「即日負荷インプラント」や「即時仮歯」と呼ばれ、顎の骨の状態が良かったり噛み合わせに問題がなかったりすると当日に仮歯を入れることができます。
特に前歯に関しては、仮歯を入れないと審美性を損ねてしまうので当日に入れてしまう場合が多いです。
しかし、全ての仮歯を手術当日に入れてしまうのは稀なケースであり、一般的には抜糸後に入れることになるでしょう。
抜糸は手術後1週間から10日ほどになるので、仮歯を入れるタイミングはこちらを目安とすると良いでしょう。
ただし、個々人の口腔内の状態やインプラント体の安定度によりけりなので、適切なタイミングはかかりつけの医師としっかり相談しましょう。
インプラントの仮歯を入れている期間は?

仮歯を入れている期間は3〜6ヶ月を想定しておきましょう。
インプラント体が顎の骨や周囲の組織と結合して安定するまで、それくらいの時間がかかるからです。
また、こちらも個人の口腔内の状態や骨密度、インプラント体の本数により期間も前後しますので、医師としっかり相談することが大切です。
いずれにしても、ある程度の長い期間は仮歯をつけた状態にしておかなければなりません。
インプラント手術を全て完了させるまでは、長期間を要することを改めて認識しておきましょう。
インプラントの仮歯を入れているときの注意点

前章で説明したように、インプラントの仮歯を入れている期間は決して短いものではありません。
仮歯を入れている期間は以下のことに注意していないと、様々なトラブルの原因になってしまいます。
それぞれチェックしておきましょう。
食べ物に注意する
仮歯は基本的にはプラスチックでできており、実際の人工歯より耐久性が低いです。
硬いものを強く噛み締めたりすると、割れたり欠けたりする可能性があるので注意しましょう。
具体的には、煎餅やフランスパン、スルメイカなど強く噛む力が必要な食べ物はなるべく避けるようにしましょう。
また、硬い食べ物だけでなく、粘着性のある食べ物も注意が必要です。
食べた拍子に仮歯が引っ張られて外れてしまう可能性があるからです。
ガム、ソフトキャンディ、キャラメル、お餅などは十分に気をつけながら食べるようにしましょう。
適切な歯磨きをする
仮歯は虫歯になることはありません。
しかし、そこに甘んじて適切な歯磨きをしていないと様々な問題を引き起こしてしまいます。
歯磨きをしないと、仮歯の周囲の組織や残っている天然の歯にトラブルが発生します。
もし歯周病になったら、インプラント体がしっかりと安定せずになかなか仮歯を外せなくなってしまいます。
治療期間が延長されたり、また再度治療をし直さなければならなくなる可能性もあるので、しっかりと歯磨きをするように注意しましょう。
破損・紛失したらすぐ医師に相談する
先程説明したように、仮歯は場合によっては破損をしてしまったり、外れてしまったりすることが稀にあります。
もしそうなってしまったら、すぐにかかりつけの医師に相談するようにしましょう。
仮歯が欠けたまま放置していると、噛み合わせが悪くなり、歯並びや顎の骨の形状に変化が起きてしまいます。
また、破損した仮歯は鋭利になっているので、口腔内を傷つける可能性もあります。
トラブルに見舞われる前にすぐにクリニックにお越しください。
仮歯のまま治療をやめない
ごく稀なケースですが、人工歯を入れずに仮歯のままにして治療を自己完結されている患者様がいらっしゃいます。
仮歯のまま放置していると、経年劣化していって黄ばんでしまうだけでなく、ニオイも発生してしまいます。
審美的にも衛生的にも良くありませんし、耐久性も低く、歯としての機能を完全に有していません。
医師と相談した治療計画に従って、必ず最終的には人工歯を入れるようにしましょう。
まとめ
仮歯はインプラント治療を成功させるために、絶対につける必要のあるものです。
仮歯はインプラント体を安定させる役割を担うだけでなく、傷口を保護したり見た目を美しくしてくれたりとあらゆる効果があります。
こちらで紹介した注意点をよく確認して、健全で計画的なインプラント治療を行いましょう。
また、インプラント治療にご興味のある方は、当クリニック品川御殿山クレイン歯科にいつでもご相談ください。
品川御殿山クレイン歯科では24時間ネット予約を受け付けておりますし、メールでのご相談も可能でございます。
お気軽にご連絡ください。
コラム監修

品川御殿山クレイン歯科
院長
上原 輝映
- ・日本歯科保存学会認定医
- ・日本口腔インプラント学会
- ・日本歯内療法学会
歯のことでお悩みの際は、まずは一度ご相談いただければと思います。
抜歯や削りすぎを避け、できるだけ歯を残すことをめざす歯科保存治療に力を入れており、他院で抜歯を勧められたとしても、保存できる可能性があるかもしれません。
できる限りご自身の歯を活かす方向での治療を提案しています。
・趣味:散歩、グルメ巡り
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