インプラントが絶対にダメと言われる理由とは?歯科医師が解説します
今や「インプラント治療」は巷でよく耳にすることがあり、世間的に一般的なものになったかと思います。
審美性を高めるために人気のある治療ではありますが、その一方で「絶対ダメ」「やめた方がいい」といった意見も散見されます。
果たして、インプラントは「絶対にダメ」な治療法なのでしょうか?
そこで今回はインプラント治療がダメだと言われる理由や考える際のポイントを解説します。
こちらを読んで頂ければ、インプラント治療のリスクや治療を安全に行う方法を理解でき、満足のいくインプラント治療ができることでしょう。
インプラント治療を考える際のポイント
インプラント治療がダメだと言われる理由として、以下の3つのポイントが挙げられます。
インプラント治療を検討する際には、これら3つのポイントをご自身の状況や考え方と照らし合わせる必要があります。
- 費用や期間の問題
- アフターケアの問題
- 治療の問題
では、1つずつ細かく解説しましょう。
費用や期間の問題
インプラント治療は入れ歯やブリッジに比べて治療費の総額が多くかかってしまう可能性は否めません。
医院やインプラント体によって前後しますが、インプラント1本あたり40〜50万円が相場だとされています。
高額にも関わらず、保険適用外である点も懸念材料とされています。
また、治療期間が長いこともインプラント治療がダメだと言われる要因の1つです。
インプラント治療では、人工歯を装着するための土台が口腔内組織と結合する時間が必要があります。
治療完了まで上顎に12ヶ月、下顎に6ヶ月かかることが一般的です。
ただ、オールオン4と呼ばれる治療方法を使えば、即日でインプラント治療をすることが可能です。
オールオン4とは、4つのインプラント体を埋入させ、前歯から奥歯まで1つにまとまった上部構造を装着する治療法です。
短時間かつシンプルに治療ができるメリットがありますが、残っている歯全てを抜歯する必要があったり、比較的高額な治療費がかかってしまうといったデメリットもあります。
オールオン4はあらゆる選択肢の中で優先順位が低めな治療法なので、あまりおすすめはしませんし、当クリニックではおこなっておりません。
いずれにしろ、インプラント治療は金銭面でも時間の面でも多くのコストがかかってしまうことを認識して、検討しなくてはなりません。
アフターケアの問題
インプラント治療に対して否定的な意見が出る要因として、アフターケアの問題もあります。
インプラントは装着したからといって、そこで全て完結しているわけではありません。
インプラントの寿命は約10年とされており、その寿命を伸ばすためには毎日の丁寧なセルフケアと定期的な来院が必須となります。
基本的に通院は3〜-6ヶ月に1回、年間で2回の来院は必須だとされています。
アフターケアまで気を配らなければならない点も意識する必要があります。
治療の問題
インプラントがダメだと言われる理由として、最も多く挙げられるのがこちら、治療の問題です。
インプラント治療は、患者様の健康状態や顎・口腔内の状況によってはリスクが発生してしまう場合があります。
患者様の状況により、様々な危険性があり、ここでは挙げきれないので次の章で説明しましょう。
インプラント治療の危険性とは?
インプラント治療は絶対に危険性がない治療だとは言い切れません。
以下の要因や条件をもっている患者さんだとある程度のリスクを考えておく必要があるでしょう。
顎の骨が弱い・少ない
インプラント治療はインプラント体という人工歯の土台となるものを埋め込むことから始めます。
インプラント体は人工歯の安定のためにしっかりと固定される必要があるのですが、顎の骨が弱かったり少なかったりすると、しっかりと固定できません。
そういった患者様の場合は、インプラント治療の前に骨造成の治療が必要になる場合があります。
基礎疾患を持っている
顎の骨は問題がなくても、特定の基礎疾患を持っている患者様は治療にリスクが伴う場合があります。
特に糖尿病や高血圧を患っている患者様は治療に危険性があります。
糖尿病の場合は歯周病にかかりやすく、インプラント治療をした後にお困りになることがあります。
高血圧の方は、手術時に血圧が上昇するリスクがあり、出血が多くなってしまう危険があります。
外科手術によるリスク
インプラント治療は基本的に外科手術になります。
インプラント体を埋めるために、歯茎を切開する必要があるからです。
その際に、感染のリスクが完全に無いとは言い切れません。
また、外科手術をすることは体に一定以上の負担がかかることも否定できません。
インプラント治療を検討する際にはこういった点も注意しないといけません。
アレルギー
インプラントは基本的には人体との親和性の高い素材で作られています。
しかし、稀にインプラント体や人工歯との相性が悪く、アレルギー反応が出てしまう患者様もいらっしゃいます。
自分の体質や持っているアレルギーをしっかり把握して治療にのぞむ必要があります。
インプラント治療を安全におこなうためには?
以上のような様々な理由から「インプラントは絶対にダメだ」といった意見が出てきているようですが、本当にダメなのでしょうか?
答えは、NOです!
インプラント治療は、適切な準備と正確な治療を行えば安全に行うことができ、手術後も美しく強い歯を保ち続けることができます。
インプラント治療を安全に行うために、以下2つの点は必ず実行するようにしましょう。
禁煙・減煙
タバコは血管の収縮や血流の低下を招きます。
血流の流れが悪いと手術によってできた患部の修復も遅れてしまいます。
修復が遅れると、インプラント体と骨の結合にも悪影響を及ぼしてしまいます。
結果として、期間や金銭の面で負担が増えてしまうことになりかねません。
インプラント治療を安全に、スムーズに行うためにはタバコを控えることをおすすめします。
事前にしっかりカウンセリングをする
インプラント治療を行ううえで最も重要なことと言っても過言ではありません。
クリニックの医師としっかりとお話をして、治療の目的、今の健康状態、優先順位などを整理しておくことが大切です。
患者様の歯の状態や目的によっては、インプラント治療ではなく、入れ歯やブリッジなどで解決できる場合もあります。
患者様の心の面でも体の面でも、安心・安全に治療を進めるために、綿密なカウンセリングは必要不可欠なのです。
正しい歯科医院での治療が重要
これまでの話をまとめると、
インプラント治療はある程度のリスクはあるがしっかりした準備をすれば安心安全に行える
ということができます。
そして、もう1つの要素として「正しい歯科医院での治療」がとても大切です。
たとえ、患者様の健康状態が良く、しっかりカウンセリングをしていたとしても、歯科医院や医師の質が低いと手術の危険性が高まります。
注視するべきポイントは
- 医師の経験が豊富かどうか
- クリニックの機器や設備が整っているか
- 使用するインプラントパーツが高品質なものか
といった点です。
インプラント治療は失敗が許されません。
以上の点に注意して、正しい歯科医院でインプラント治療を検討しましょう。
まとめ
インプラント治療は絶対ダメだという意見がありますが、リスクを承知したうえで、適切な準備と治療をすれば問題なく行うことができます。
インプラント治療をしたことで、歯が美しく強くなり、大きく生活が変わったという報告も数多く寄せられています。
インプラント治療を検討されている方は、正しい歯科医院を選んでカウンセリングを受けてみましょう。
品川の歯医者、品川御殿山クレイン歯科では、無料カウンセリングをおこなっております、ぜひともご相談ください。
皆様の口腔内の健康を心から願います。