夜になると歯が痛くて眠れないのはなぜ?原因と当日の対処法
布団に入った途端にズキズキと歯が痛み出し、眠れない夜を過ごした経験はありませんか。
昼間は気にならなかった痛みが、横になった瞬間に強まるのはよくあることです。
ここでは、夜に歯痛が強まる仕組みと、当日にできる対処法、そして当院の診療体制についてご説明します。
夜間に歯が痛むのは自律神経の働きで血流が増えるためです

夜になると歯の痛みが強まりやすいのは、就寝時に自律神経のバランスが変化し、炎症部位への血流が増えるためです。
多くの場合、原因は虫歯が神経まで進行した「歯髄炎」や、過去に神経を取った歯の根の先が感染する「根尖性歯周炎」にあります。
いずれも歯科医院での診断と治療が前提になる症状です。
歯髄炎は虫歯の細菌が歯の神経まで達した状態です
歯は表面のエナメル質、その内側の象牙質、そして中心にある歯髄(神経と血管の組織)の3層構造になっています。
虫歯の細菌が歯髄まで進むと炎症が起こり、何もしなくてもズキズキとした自発痛が生じやすくなります。
副交感神経が優位になる夜間は血管が広がりやすくなります
日中は交感神経が優位で血管がやや収縮していますが、夜間は副交感神経が優位になり血管が広がる傾向があります。
これに伴って炎症部位への血流も増えるため、同じ炎症でも昼間より夜間のほうが痛みを強く感じやすくなります。
神経を取った歯でも根の先の炎症で夜間に痛むことがあります
一度神経を取った歯であっても、根管内の感染が根の先まで広がる根尖性歯周炎を起こすことがあります。
厚生労働省のe-ヘルスネットが紹介する歯科疾患実態調査では、青壮年~中年期(25~64歳)には「歯が痛い、しみる」・「歯ぐきが痛い、はれている、出血がある」が多いと報告されており、働く世代にとって歯の痛みは身近な症状であることがわかります[1]。
親知らずの周囲が炎症を起こして夜間に痛むケースもあり、詳しい原因や対処法は親知らずの痛みの原因から抜歯の費用、抜歯後の痛みの対処法は?でも解説しています。
横になる姿勢は歯髄腔内の圧力を高め拍動痛を強めます

横になる姿勢そのものも、痛みを強める要因のひとつです。
頭部の位置が心臓と同じ高さに近づくことで、患部への血流がさらに集まりやすくなり、閉じた空間の中で圧力が高まるためです。
歯髄は硬い組織に囲まれた狭い空間にあるため腫れが逃げ場を失います
歯髄は硬いエナメル質と象牙質に囲まれた狭い空間に存在します。
炎症で腫れが起きても外に逃げる余地がないため、内側から神経と血管が圧迫され、強い痛みとして感じられます。
心臓の拍動に合わせて痛む「拍動痛」が特徴です
炎症が強い場合、心臓の拍動と連動してズキンズキンと痛む「拍動痛」が現れることがあります。
日本口腔顔面痛学会の臨床診断に関する報告でも、中等度,拍動性,持続性鈍痛という症状の記述の仕方が鑑別診断の手がかりとして用いられています[3]。
当院では歯の神経の治療を専門に学んできた歯科医師が、CT画像とマイクロスコープで炎症の範囲を確認します
当院では3次元CTとデジタルパノラマレントゲンの複合機を導入しており、被ばく線量を従来比約1/10に抑えながら根の先の炎症範囲を確認できます。
院長の上原は歯の保存を専門に学んだ歯科医師で、マイクロスコープとラバーダムを併用した精密根管治療を軸としており、感染の広がりを見極めたうえで治療方針をご説明しています。
根管治療そのものの成功率について、日本歯内療法学会の報告では初回治療および再治療の成功率はおのおの90%および70%以下に留まっているとされており、早期の診断と治療が結果を左右することがうかがえます[4]。
眠れない夜は上体を起こして冷やし、温めることは避けます

痛みで眠れないときは、上半身を高くして休むことと、患部を外側から冷やすことが当日の対処として知られています。
反対に、患部を温めることや強い刺激を加えることは炎症を悪化させるおそれがあるため避けたほうが良いとされています。
| 当日の対処 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 上体を起こす | 枕を高くし、頭部を少し高い位置に保つ | 血流の集中を和らげる目的 |
| 外側から冷やす | 濡れタオルなどで頬の外側を軽く冷やす | 冷やしすぎに注意する |
| 市販の鎮痛薬 | 添付文書の用法・用量を守って服用 | あくまで一時的な対応 |
| 温める・強く揉む | 入浴やホットタオルでの加温は避ける | 血流が増え痛みが強まりやすい |
何科を受診すればよいか迷ったら歯科への相談が基本です
歯の痛みは歯科の領域であり、内科や耳鼻咽喉科ではなく歯科医院への相談が基本になります。
強い腫れや発熱を伴う場合は、感染が周囲に広がっている可能性もあるため、早めの受診が望まれます。
休日・夜間の緊急診療は地域の歯科医師会が窓口になっている場合があります
深夜にどうしても痛みが治まらない場合の受け皿として、地域の歯科医師会による休日・夜間の応急診療が設けられていることがあります。
大阪府歯科医師会の案内では夜間、深夜における緊急の歯痛、口腔疾患、外傷等の応急処置を行っていますとされており、継続的な治療は行っておりませんのでご注意くださいと説明されています[2]。
翌日以降は、かかりつけの歯科医院での診断と治療につなげることが前提になります。
当院では休診前でも早めのご相談をおすすめしています
当院は月・火・木・金・土の10:00〜13:30、15:00〜18:30に診療しており、休診は水曜・日曜・祝日です。
休診前の日中に痛みが強まってきた場合は、翌診療日を待つより早めにお電話でご状況をお聞かせいただくことをおすすめしています。
また、非常勤の歯科医師を除き院長・ドクター・衛生士まで全スタッフが女性のため、男性の歯科医師が苦手な方でもご相談いただきやすい体制です。
専任のトリートメントコーディネーターが治療内容や方針を説明しますので、痛みの原因や今後の見通しについて丁寧にお聞きいただけます。
まとめ
- ・夜に歯の痛みが強まるのは、副交感神経が優位になり炎症部位への血流が増えることが関係しています
- ・横になる姿勢は歯髄腔内の圧力を高め、拍動痛として感じられやすくなります
- ・当日の対処は上体を起こして冷やすことが基本で、温めることや強い刺激は避けます
- ・歯の痛みは歯科への相談が基本で、深夜の緊急時は地域の歯科医師会の応急診療が窓口になる場合があります
- ・当院は3D CTとマイクロスコープを備え、歯の保存を専門に学んだ歯科医師による精密根管治療で炎症の状態を確認しながら治療方針をご説明しています
今夜も痛みで眠れないようでしたら、翌診療日に早めにお電話でご状況をお聞かせください。
当日の診療枠についてご案内できる場合があります。
品川御殿山クレイン歯科は品川駅・五反田駅・大崎駅・京急北品川駅からアクセスでき、Tel: 03-5791-5155までご連絡ください。
診療の流れは初めての方へ(初診の流れ)でもご案内しています。
参考文献
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「各種統計からみる歯科疾患の重み」kennet.mhlw.go.jp
[2] 大阪府歯科医師会「休日・夜間緊急歯科診療」oda.or.jp
[3] 日本口腔顔面痛学会雑誌「歯痛の臨床診断推論」jstage.jst.go.jp
[4] 日本歯内療法学会雑誌 41巻1号 jstage.jst.go.jp

